それからあたしと小春ちゃんは今着ている服を交換した。


メークで顔を似せて、髪型も同じように変えた。


「これでオッケーね。あとはあたしが心ちゃんの家に送ってもらったら完成する」


「本当に家の人にはバレないかな……?」


あたしの家族や小春ちゃんのお手伝いさんは、いつも一緒にいる存在だ。


そんな人たちを簡単に騙せるとは思えなかった。


「大丈夫だよ。なにかあったらすぐに連絡する。そしたら近藤と一緒に迎えに来て。全部あたしが計画したことで、心ちゃんには無理矢理付き合ってもらったことにするから」


それならあたしが怒られる心配はなさそうだ。


「ねぇ、どうしてそこまであたしになってみたいの?」


「言ったじゃん。あたしはいつも家で1人。お手伝いさんはいるけれど、血の繋がりはないし、やっぱり寂しいんだよね」