それからも、時々妙な声は聞こえてきていた。


『この子の話ってつまんないし』


『あいつってキモイよな』


『本当に大嫌いなんだけど』


聞こえてくるのはそんな言葉ばかり。


その度に周囲を確認してみたけれど、誰もそんな事を言っている生徒はいなかった。


けれどあたしの耳に異常はなかったはずだ。


まさか、本当に精神的なものなんだろうか?


「里菜キョロキョロしてどうしたの?」


声の出元を探していると、美穂にそう声をかけられた。