美羽は確かにあたしに『全然似合ってない』と言った。


けれど、その声は美穂には聞こえていなかった。


あたしの勘違い……?


あれだけハッキリと聞こえて来たのに?


わからなくて、あたしはため息を吐き出した。


美羽はいつも通り友達と騒いでいる。


「里菜、ご飯食べよう!」


その声が聞こえてきて振り向くと、美穂がお弁当箱を持って近づいて来たところだった。


「そうだね」


ぼんやりしていると昼休憩が終ってしまう。


美羽のことはやっぱりあたしの勘違いだったのかもしれないし。