とても冷たい空間だった。


これほど冷え切った部屋を、あたしは知らない。


この空間に似つかわしくない、優しい声が聞こえて来る。


だけどその優しさは本物じゃない。


作業をスムーズに進めるための、作り物だ。


その声がどんどん遠のいていく。


視界が狭くなり、暗闇の中へと引きずりこまれて行く。


待って。


まだ、待って。


そう言いたいのにすでに口を開く事もできなくて、あたしはズブズブと悪夢の中へと吸い込まれて行く。