今日は葉月とカナタ先輩の葬儀の日だった。


2人はホテルの一室で折り重なるようにして倒れていたらしい。


カナタ先輩はショック死で、葉月はなぜか顔の皮膚がすべて剥がれ落ちていたらしい。


2人がどんな関係だったのか、誰も知らない。


「葉月……」


あたしは遺影に手を合わせ、涙をぬぐった。


葉月の死を知ってから涙が枯れることはない。


「大丈夫?」


山田君がやさしく手を握りしめてくれる。


1人で親友の死を乗り越える事はできないかもしれない。