今日はカナタとのデートの日だった。


しかし頭の中にあるのは勇に言われた一言だった。


『もう少し背が高いといいのにな』


その言葉がずっと気になっていた。


可愛い、綺麗なダケじゃダメなんだ。


男の子はもっともっとと望んでいるのかもしれない。


試に体型を購入できるサイトがないか探してみたけれど、さすがにそれは存在していなかった。


持っている物よりも、もっと高いヒールの靴を買うしかあたしには選択肢はない。
どうしてだろう。


綺麗な顔を手に入れたはずなのに、心の中はモヤモヤと霧がかかったようになっている。


「ナナちゃん、どうかした?」


カナタ先輩にそう聞かれてハッと我に返った。


あたしは今ファミレスに来ていて、目の前には運ばれてきたばかりのオムライスがある。