第9章  想 恋人の定義






ジョージさんから貰った水で、
渇いた喉を潤す。


段ボールで出来た家だけど、ここは何だか安らかな時間を与えてくれる気がした。



「ジョージさんって今何歳なんですか?」


「ウヒャヒャヒャ、
40歳から先は数えるのをやめたわい。

だがナイスバディの妖精ちゃんが、
“おめでとうございます、65歳の部~”
って現れたのがもう随分前だから、

70近いかもな。」



「女性とお付き合いしたことないって意外です。

ジョージさんって気さくな人だし、
あそこら辺のホームレスの皆さんに慕われてるし・・・」


「・・・・・・・・。」


「・・・・あ!すみません!
失礼な事を・・。」


「いやいいんじゃよ。
ちと昔話に付き合ってくれんかの。

魔法が使えるようになってから、
誰かに話したいと思っておったが、

これは恐らく魔法使いにしか話してはダメな内容だからのう。」


「は、はい。」