第1章  祝 彼女いない歴25年





「はいどうぞー。
お味噌汁熱いので火傷しないように気をつけてくださいねー。」


トレイに乗せた豚丼とサラダと味噌汁。

長く出来ていた行列も、ようやく最後の一人を迎えた。





ふぅ~!


「カンタお疲れ!」

「お疲れ。」


作業を終えると高校時代の友達、シンゴが声を掛けてくれた。








俺の名前は吉良 カンタロウ 25歳。


特に何の取り柄も無いサラリーマンだけど、

休みの日はこうしてシンゴと一緒にホームレスの炊き出しボランティアに参加している。



今日も10時から約2時間、ホームレスの人達に食事を配って午前中を終えた。