それは本当に一瞬、その程度と言える。



「 ごめん、大丈夫!? ガードしたつもりだったのに、俺の手反動で当たったよな 」

「 あ…… い、…… いえ 」



びっ… びっくりしたぁー……



「 純っ 大丈夫!! ねぇ 怪我してない?」

「 奥森、平気か? ったく、サッカー部か 」



私はあまりの衝撃的な出来事に、腰が抜け地面に経たりこんだ。

そんな私を心配する胡桃、先生はグランドへ注意しに行く。



何だったの、今……

サッカーボールだったの?

あ、そうだお礼言わなきゃ……



見上げると太陽を背にした彼が立ち、私を気にかけ見ている。

不思議と見えた無数のシャボン玉。

それはきっと太陽の陽射しの反射だったのかもしれない。



「 あの、ありが…… 」

「 あー! 」


いきなり大声の胡桃にお礼言葉がかき消されてしまったが私が立ち上がると胡桃が彼に言った。



「 2年の小野寺 凌先輩!? ですよねっ 」

「 そうだけど… ねぇ 鼻の頭ちょっと赤いけど大丈夫… 」

「 大丈夫ですっ 」



んっ、何か垂れた?



「 大丈夫じゃなかったね、ごめん 」



私は大丈夫と言ったものの、鼻水ではなく鼻血を出してしまった。

恥ずかしさで下を向くと、胡桃と先輩が慌てて上を向けと言う。

そのまま保健室に行く事になり、先生も戻り揃って行く。