何が起きたんだろう。

俺は朝のニュースを見ながら驚愕していた。



クラスメイトであった柳瀬さんが一家心中した、というのだ。




「柳瀬さん…!?」




俺はテレビの真ん前に立ち、そのニュースをしっかり聞いた。

内容は柳瀬さんは自分の部屋から飛び降りてレンガに頭を打ち付け、母親は首吊り、父親は睡眠薬多量摂取らしい。




『好き』




その言葉に本当に恋愛感情が入っていたんだろうか。それに





『私も今の私は好きになれないな』




今のって……なんだ?





「俺が、断らなきゃ…?」




正直、嬉しかった。
柳瀬さんのこと、少なからず好きだった。

でも昨日の柳瀬さんは…俺の好きな柳瀬さんじゃなかった。柳瀬さんなのに、柳瀬さんじゃなかった。




「桜、なんでお前と同じことを……」




俺は仏壇に飾られた妹の桜の可愛らしい写真を手に持った。