俺は橘 瑠璃の兄のパソコンを全部見終わったあと、頭の中に電撃が走った気がした。

記憶が、本当の俺が戻ってきた感覚だった。





「ああ、思い出した」





俺は自分を変え、記憶を操作して、今の児嶋 晃を作ったんだ。






「…お兄ちゃんは悪くなかった。事の発端は全てあなた」






3人の鋭い目付きが俺を離さない。
でも俺は不思議と笑いがこみ上げてきた。






「だからなんだ!?己の欲望のため、大事なものをひとつ失ってでも欲しいと願ったのはお前らだ。お前らは何かを言う資格なんてねぇ」





「まるで人が変わったわね……」





「俺がこんなふうになったのはテメェらのせいだろ?ブスだからデブだからといじめられて、助けもしなかった」






今でも反吐が出る。
誰も助けようとしない。

むしろ知らんぷりをするあの冷たい目を向けられた日々。笑われ、馬鹿にされ、心をずだずだにされた日々を。





「それは……確かにそうだ」