僕が警察官になって3年経っていた。
それが去年の話だ。

僕は厳しい警察官だった。




「おい、こらそこ!二人乗りは駄目だろ!」


「おい!横断歩道は青になってからだ!」


「交通法違反だ」




俺はちょっとの事でも厳しくする。でないとこの世界で事故というものは減らない。

いつしか警察署内でも俺は鬼警官だと噂されるようになっていた。



「あれでしょ?若いのに鬼警官の」


「飲み会に誘うの怖いよなぁ」


「なんか、気が引けちゃうよね〜」



同僚からは遠巻きに見られ、挙句の果てには陰口のオンパレード。


だが、馴れ合うつもりは微塵もなかった。


ただこの世界を正しくしたいがために、警察官になったんだ。



妹の美咲とは10個離れていた。


俺がこんな性格になったのは親のせいでもある。親は厳しい教育こそ最大の親に出来ることだと言っていたぐらいだ。


そのせいか、俺がこうなり、美咲も言いたいことをズバズバ言う性格になった。


それはきっと嫌われる性格で
優しさというものを教えられなかった。