『〜〜〜第〇回、始業式を終わります』




教頭先生の合図で3年生から退場する生徒達。




っていうか私、始業式 なにも聞いてない。






だって...




「飯倉サン、なに難しい顔してるの?」





私の前に立つこの人のせいで!





あなたの事を考えてました...





なんて言えるはずもなく。






1-Aも教室に戻った時だった。








「あの...この人って、一体 どういう人...なんですかね?」






こそっと後ろの岡部さんに耳打ち。






一瞬、岡部さんはキョトン...としたけど、
すぐに理解したようで教えてくれた。





「この人は、ウチの学校の“王子様”って呼ばれてる人達の1人よ」




すごく重〜く言う その“王子様”ってやつ。




王子様かぁ...。



病院で絵本を初めて読んだ時は感動したな。




お姫様のためにある、王子様って感じで。



って学校に王子様!?





顔がいいから...なのかな?






「飯倉さん、可愛いから注意してね?

食べられちゃうよ」


岡部さんが 不敵に微笑む。




ええ...。食べられるの?




人間を食す人なんているの!?





冗談だとは分かってるけど...今時の人達ってこわい...(おばあさん目線)




もっと不敵に微笑んだ岡部さんは、なんだかとても怖くて...。





でもやっぱり、休み時間になるまで半信半疑だった。







「うーし!これで2学期の説明おしまい!

1回休憩したら帰っていーぞ〜!」





帰る準備...していいんだよね?