だめだ。


熱い。


もう限界だ……!


思い切って移動しようと思ったその時だった。


屋上のドアが開く音がして、それとほぼ同時に可愛らしい声が聞こえて来た。


「ちょっと、2人とも! 掃除サボってなにしてるのよ!」


その声の持ち主を知らない男子はいないだろう。


俺と城は同時に顔を見合わせた。


「まじかよ、古家コハルだ」


城が小声でそう言い、その姿を一目見ようと身を乗り出す。


「おい、やめろよ」


そう言いながらも俺も古家コハル先輩を見たくて同じよう身を乗り出した。


さっきまで感じていて限界の暑さなんて、今はもうどうでもいい。