ケータイ小説 野いちご

血まみれ椿姫

奥手

翌日から学校は普通授業だった。


夏休みの感覚が抜け切れないまま始まった授業はやはり上の空で、俺はただ黒板を見つめているだけだった。


ノートを取ると言う行為も、ものすごく億劫だ。


できたらこのままドロドロに溶けて机と一体化してしまいたい。


なんていう逃避をしてみても実際には溶けてしまう事はなく、先生に問題を当てられて1人あたふたしていた。


「良真、授業全然聞いてなかったね」


昼休みになり、風花が呆れたようにそう言ってきた。


「そうっすね……」


言い返す事もできずに頷く俺。


実際聞いてなかったし、やる気すらなかったし。


真面目な風花が呆れるのもごもっともだ。


「夏休みボケくらいするよ、なぁ良真」


俺の机の前に椅子を持ってきて、勝手に弁当を広げ始めた城が言う。


「だなぁ……」


俺はそう返事をしながら、風花の水着姿を思い出していた。

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