城と2人で歩いていると校門を出る手前辺りに風花の後ろ姿を見つけた。


今日は友人が休みだから他のクラスの子と一緒に帰っている。


ここで声をかけるわけにもいかず、俺たちは風花たちの後ろをついていくことにした。


後から風花に連絡を取って合流してもいいのだけれど、風花に1人の時間を作らせたくなかった。


そんな事で声もかけずに歩いていると、不意に風花の友達が振り向いた。


背の低いショートカットの可愛らしい子だ。


下手をすれば小学生高学年くらいに見える。


「ちょっと、何ついてきてるの?」


ズバリそう言われ、俺は一瞬言葉に詰まってしまう。


「お、俺たちも一緒に帰ろうかなぁと思って」


咄嗟に下手な嘘をつく。


「風花、どうする?」


「カナちゃんがいいなら、あたしはいいよ?」


クルッと振り向いてそう言う風花。


どうやら、風花には最初からバレていたようだ。


「仕方ないなぁ」


カナちゃんと呼ばれた子はそう言い、手招きをした。