「……ん!………ちゃん!」



ん、んーもー、煩いなー。



「…きて!………んだよ!」



あ?

さっきから私の眠りを妨害しやがって。



まだ寝てそう時間経って無いぞ。



「お姉ちゃんってば!!」



っ静夜!?



静夜の大声が聞こえてバッと瞳を開けると、静夜の顔がドアップにあった。



ん?



掛け布団を剥がされてたらしく、体制的に押し倒されてる様な感じだ。



顔の左右には静夜の手があり、足の間には静夜の足があって身動きが取れない。



何なんだー、この状況は。



久し振りに会えて嬉しいなーなんて思いつつも、静夜の焦り様で正気に戻される。



水の滴る髪、肌。



表情もそれは焦ってるようだ。



「お姉ちゃん力貸して!こんな時間だし、最近ずっと顔合わせて無かったけど、今はとにかく助けて!」



っ!



静夜が、静夜が涙目になりながら私に頼み込んでる?



何があったんだ?



静夜をここまで焦らせる程の事なのは分かるが、一体何が…。



そう思い、静夜の事を退かせて起き上がり聞く。



「何があった」



静夜は涙を拭ってから言った。



「朱里が毒牙って族に拐われて、でも全然場所が分からないんだ」



「っ」