「えー、今年の夏休みも一人一人が本校の生徒であることを自覚し………」
夏休み前日の終業式。
全校生徒がこの体育館に集まって校長先生の長い話を聞いていた。
みんな、暑そうにしている。
でも私は暑さなんて忘れ、ある1つの悩みを抱えていた。
それは本日の朝、家でお母さんに放たれた一言から始まる………
『遥。私ね、来週の月曜と火曜日の2日間、お父さんの出張について行くことにしたから、その間1人で家お願いね。』
私は一瞬固まった。
待って………私、2日間1人なの!?
『む、無理だよ!家事はできても夏の夜は怖くて無理!』
『遥、あんたもう高校生よ?
そろそろ1人でも平気になりなさい。
それが嫌なら友達に泊まりにきてもらうのもありだけどね。』
どれだけ断ってもお母さんの意思は変えてくれない。
結局私は渋々了解したんだけど………
やっぱり1人は無理!
と、いうことでただいま校長先生の話を右から左で聞きながら、そのことでどうしようかと悩んでいます。
とりあえず凛に聞いてみよう。
もしかしたら泊まりにきてくれるかもしれないし………。
そう思い、早く終業式が終わることを願った………。