ーー風のように過ぎ去った夏休みが明け、本日から学校が始まる。
「はーるか!」
「わっ!びっくりしたぁ。」
大輝くんと廊下を歩いて教室を目指していると、後ろから軽く突進された私。
突進してきた正体は凛だった。
「遥、すっごい久しぶりだね!
………あ、武本くんも。」
凛は明るく笑った。
いつも通り、元気で変わらないな。
ていうか、いつもより元気かも。
「さぁさぁ武本くん、遥は私がもらうわよぉ。」
ニコリ、と上機嫌で笑う凛。
「………めんどくせぇ。」
大輝くんは明らかにだるそうな顔をしていた。
いや、心の声がもれてますよ、大輝くん!
結局凛に腕を引かれ、大輝くんを置いていくような形で教室へと向かった私。