ケータイ小説 野いちご

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夕日の街に、あなたの後ろ姿。

第六話

赤坂くんが赤凪第三中学校に転入してしてから、約一週間が経過した。

未だに、私は赤坂くんと話していない。

……別に、だからどうってことはないけど。

「ねーねー赤坂くん、サッカー得意ってほんと!?」

「あ、私も聞いた!赤坂くん、県の大会に出たんだってね」

「うちサッカー部はないけど、陸上部はいったら?」

「赤坂くんって、本当にかっこいいよね」

無口でクールで、見た目もそこそこな赤坂くんは、すぐに学年中の人気者になった。

何か、もやもやするなぁ、みんな赤坂くんに何があったのか知らないのに。

「……あ」

だめだめ、なんでそんなこと考えちゃうの!

私が知ってることだって、赤坂くんの全てなわけじゃないんだし、そもそもあの噂が本当なのかもまだ分からないじゃない。

でも、やっぱりやだな。赤坂くんも、本当は辛いんじゃないかなぁ。

「ねーねー聞いた?幸、みなと。赤坂くん先輩にも人気らしいよ」

もやもやしている私をよそに、美智佳と幸は楽しそうに談笑している。

「知ってる〜。先輩と仲良いといじめられちゃうかもね〜」

はぁ。

「ねえちょっと、みなと聞いてる?」

「へ?」

「屁じゃなーい!赤坂くんのせいで恋煩いしてるのかもしれないけど、ほんと気を付けなね。先輩に目つけられたら終わりだよ」

「は、はぁ?」

なになに、何の話?

「聞いてなかったの?みなと。赤坂くん先輩に人気だから、あんまり仲良くなると目つけられるよって話。」

「そうなんだ……でも」

窓の方に視線をずらしながら、私は自分に言い聞かせるように呟いた。

「私達、別に仲良かったわけじゃないし」

きっと、既に次の話題に移っていた二人は、この言葉を聞いてなかったと思う。

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