ケータイ小説 野いちご

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夕日の街に、あなたの後ろ姿。

第四話

「ねえねえ、赤坂くんって浅瀬中から来たの?」

「……そうだけど」

「小学校はどこだったの?」

「……赤凪三小」

「浅瀬中荒れてるらしいじゃん、大丈夫だったの?」

「……知らね」

「部活どこ入るの?」

「……興味無い」

クラスメイト達の質問攻めに淡々と答えながら、赤坂くんは机の上で消しゴムをいじっていた。
それを遠巻きに眺めながら、私は溜め息を吐いた。

「はあ……」

「よっ、転校生見つめて溜め息なんて、恋でもしたか、みなと」

いきなり背中をばしっと叩かれる。こんな事するのは、美智香だけだ。

「もー、いきなりやめてよね。別に恋でもないし」

「えー、でもみなとの赤坂くんを見る目、恋する乙女の瞳だったよ」

「知らないよ、そんなの」

赤坂くんを見てたのは、単に彼が小学校の同級生だったから。ただそれだけ。それだけだもん。

でも……。

「赤坂くんって、なーんかクールだよねぇ」

赤坂くんを見ながら呟く美智香に、私はゆっくりと頷く。

「見た目がそこそこイケメンだからそれだけが救いだよね。あれがメガネのオタクだったら、絶対ただの陰キャラって言われて疎遠にされてたよねぇ」

「ちょっと、見た目で判断するなんて酷くない?」

「だって事実はそうじゃん。人って無意識に見た目で差別してるもんだよ。みなとも可愛くてよかったねぇ」

「何それ、私の中身も変だって言いたいの?」

「そんなんじゃないって、みなとはいい子すぎるの!」

「ほんとそうよだよねぇ、みなとは優しすぎるんだよ」

「あ、幸」

いつものように仲がいいうちに入る口論をしていた私達の元に、幸がやって来た。

「あれ、そう言えばみなとって、赤凪第三小学校出身じゃなかったっけ?」

幸の一言に、私はぎくりと肩を硬直させた。
うう、そこに気付かないでよ、幸。

「あっ、そう言えばそうだよね。ここの学校ほとんどは赤一小か赤四小の人達じゃん。みなととあと数人くらいだよね、赤三小は」

ああ、何てこと。気付かないでよ、美智香まで!

「なーんか気になるんだよね、あの転校生……」
美智香が怪しげに目を光らせる。

「みなと、小学生の時の赤坂くんのこと、教えて!」


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