「…さま」



「ん…」



「ルーナ様!」



「(だ、れ)」



「起きてくださいませ!」



「(う、るさ)」



美香は重い瞼を開く


その目の前には自室の天井ではなく女性のドアップの顔だった



「へ?」



「あぁよかったルーナ様!お医者様を呼んできて!」



「はいただいま!」



勢いよく起き上がろうとすると痛む身体


その身体を無理やり起こす美香



「あぁ!ルーナ様!起き上がってはいけません!」



女性にいわれ大人しく横になる美香



「(え、ここどこ)」



寝ているベッドも、横にいる女性も、周りも見たことのない景色ばかりで困惑する美香


そして



「るー、な」



「大丈夫ですか?ルーナ様」



なぜか『美香』ではなく『ルーナ』と呼ばれていることに驚きを隠せない美香



「少々お待ちくださいませ。すぐに先生がお見えになりますわ」



「(え、まってここどこ。ルーナって、、、)」



状況を把握しようと頭をフル回転させる美香


その時



「大丈夫ですか!」



と扉を乱暴に開けて入ってきた男に驚く美香


なぜなら



「レオン、王子」



目の前にはゲームの中にしか存在しなかったレオン王子がいたからだった