終わるべくして終わるものがある。
滴るワインの香りに酔いそう。私はひとつの扉の前に立った。チャイムを押して、連続で押した。
「あーはいはい」
と言いながら出てきたのは安藤。
「え」
「シャワー貸して」
「ああ、はい」
開けて通してくれた。私はパンプスを脱いで家にあがった。
右だ、と後ろから声がかかって、すぐ右にある扉を横にスライドさせる。洗面所と脱衣所があった。
「お邪魔します!」
「今更な」
そう言った後に扉が閉められる。私は躊躇いもせずに服を脱いだ。
時間は三時間ほど前に戻る。
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