「なぁ、花、今日空いてる?俺ん家今日親いないからさ、泊まりに来ねー?」

私は桜崎 花。
この今喋っている男、友也と、1ヶ月前から付き合っている。
これはもしかして…そろそろ”あれ“をしようとしているのか…と思い、少し迷う。


「うーん…。」

「なぁ、花、俺のこと嫌い?」

「えっ!嫌いなわけないじゃん。大好きだよ。」

「じゃあ、おいでよ。」

まだ、中2の私たちには少し早い気もした。
でも、好きという気持ちの方が強かった。

「うん。じゃあ、放課後に行くね」

「おう!待ってる。」





バクバク、バクバク…
さっきから心臓がうるさい。

今から、友也の家に行く…

もう玄関前…よし!と思い、意を決してピンポンを押す…

「ピーンポーン」

「ガチャ」

「おぉ。入れよ」

「お、お邪魔しまーす…」

「広っ!」

友也の家は思ったよりも広くて、つい声に出してしまう。

「ご飯作るね」

「俺も作るよ」

2人でハヤシライスを作った。
お風呂にも入って、(もちろん1人で…)
後は…寝るだけ…

2人でベットに入る。

「なぁ、花いいか?」

もう、私にはその意味がわかる。
怖い、ものすごく怖い…
最初は痛いっていうし…でも、好きという気持ちの方が強かった。

「いい…よ。」

「優しくすっから」

「うん…」


友也が服を脱ぐ…
私の服も丁寧に脱がしてくれた。

「うっ!」
痛い…ものすごく痛い…でも、そう感じたのは最初だけでだんだん快感へと変わって行く。
思わず変な声が出る…

「花、愛してるよ」

「私も…」


この時、私たちは知らなかった。
避妊しなければ、できてしまうことを。
でも私たちはそれを忘れていた。

でも、そのことはこの時の私たちには知る由もなかった。








友也との初Hから、3か月くらい経った頃。
「うっ!」
私はトイレに駆け込む。
最近吐き気がひどくだるい…
ただの疲れだろうと思っていたのだが、あまりに止まらないため、お母さんに気づかれ、病院に行ってくるように言われた。


「桜崎 花さん、1番にお入りください。」

診察室に呼ばれ、診察を受ける。

「花さん、最後の生理はいつだったかな?」

お医者さんにそう言われて初めて、3ヶ月ほど生理が来ていないことに気づく。

「3ヶ月くらい来てません。」

「花さん、尿検査をしましょう。」

尿検査の結果、驚くべきことが…

「花さん、妊娠しています。」

「すぐに産科に行くようにしてください。」

頭が真っ白になった。

ここにいるのは間違いなく、友也との子なんだ…

どうしよう、どうしよう…