俺のこの気持ちは、そう。



きっと一目惚れのようなものだった。



俺が好きになったその子の名前は、美風 羽瑠。



初めてハルに会ったのは、入学式当日だ。



「ご入学おめでとうございます!」



校門前には、デカデカと入学式と書かれた看板が立て掛けられて、生徒会であろう先輩たちとか先生方とかが勢揃いして、口を合わせてそう言っていた。



生徒玄関に入れば、掲示板の周りに集まる俺と同じ新入生。



自分のクラスを確認しようと人だかりができていた。



えーと、俺は……?



この高校に進学することにしたのは、ただ偏差値が同じくらいだったから。



適当に勉強して、適当に過ごして、そこそこの大学に行って就職できたらいい。



そんな軽い気持ちで入学した俺は、正直クラスなんてどうでもよくて、さっさと確認して教室に行こうと気だるそうに見ていたその時だった。