「…ごめん。だけどやっぱり、最初に俺に話してほしかった。
俺、今帰り遅いから、聞いてもやれることは限られてたかもしれないけど。
情けないな。加奈を守ってやるのは、いつだって俺でありたいのに」

自分に苛立っているのか、最後のほうは強い口調に変わった。

安物の固いラグの上で濡れたままの髪を乱し、秋はいつもよりもずっと激しく私を求める。

時々チクンと小さな痛みが走り、身体中に赤い跡を残していくのがわかった。

ずっと目を閉じていた。

秋の嫉妬心むき出しの目を見たら、愛おしくて涙が止まらなくなる気がした。