ケータイ小説 野いちご

彼女と一秒でも長く一緒にいたいから、僕は全て神様に納めました

エピローグ



「願、起きない」

母親が、大きな声で僕を起こす。

「もう………朝なのか?」

母親の声が聞こえ、僕はふとんから起き上がった。

つぼみとデートした日から十日が過ぎており、今は十月二日。十万円と引き換えに十日間もあった休みもすぐに過ぎ、今日から学校がスタートする。そして夏のように暑かった街の気温も、涼しい秋の気温になっていた。

「ほんとうにもう………つぼみと別れないといけないんだなぁ」

両手で窓を開けて、秋の空に浮かぶうろこ雲を見て、僕はつぼみとの別れを実感した。

「願、なにしてるの?早くしなさい」

「はい」

さっきよりも強い口調で母親に呼ばれ、僕は慌ててリビングに向かった。

「おはよう」

僕はリビングに移動して、母親にあいさつをした。

「願、呼ばれたら一回で起きなさい」

「はい」

慌ただしく今朝の準備をしている母親に、僕は小さく返事した。

食卓テーブルの上には、今日の朝食が並べられていた。漆塗りのお椀から淡い湯気がゆらゆらと立ち込めている、みそ汁。ガラスのお茶碗に入っている、白いご飯。そして小鉢に入っている、野菜。

< 202/ 209 >