ケータイ小説 野いちご

君は…どうして

夜。



ーゴーンッ



いつもはこのまま自室に行き、

眠って目が覚めれば朝が来るというのに、誰かが訪ねてきた。



「誰だ…こんな時間に」



そう遅くないといえば遅くないが、居間の時計が指しているのは21時前。

ざっと夜中の9時だ。



お風呂に入ろうとしていたのもあって余計そう思う。



どうせ出ないんだ。



理由は簡単。

家は屋敷だ。日本風のといえば伝わるだろうか、広い屋敷。



住宅地から少し離れた、緩やかな坂の先にある日本屋敷。



今の季節にしては珍しいが、

肝試しだなんだと遠方から来るものも居なかったわけではない。



まぁ最近は居なかったが…。



ーゴーッンッゴーンッ



しつこいな。



ーゴーンっゴーンッゴーンッ



…しつこい。



鳴り続けるインターホンの、鐘のような音。



普通なら多くて3回程度だ。



…特に連絡もないはずだが、こうもしつこいのには理由があるはずだ。



居間の電気を全て消し、薄暗い廊下を進む。

足元の人を感知してつく暖色の光だけがついている。



そのまま玄関まで行き、適当に準備して靴を履いて出る。



その間も鳴り続けるインターホン音。

途中止まったと思ったが、門の前に付いた頃にはまた鳴った。



ーゴーンっ



「クソッ何で出てこーへんねんっ!」



「しょうがないよ!」



ん?

言い争いか?



そう思いながら、門の隣の小さな入り口から出る。



ーギーッ

ーー「!」



「…何だ?」



居たのは、見覚えのある男子だった。



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