「ちょっと避け過ぎじゃねぇか?w」
ピーターは今にも吹き出しそうだった。
それは何故か――?

ピーターは乱之助の流しに対して対策は一回きりだった。
つまり同じことはもう出来ないということである。

『貴様は我の流しに対して、なんらかの策があるようだからな』
それを言いながら、乱之助は避け続ける。
ピーターは渾身の突きを繰り出した。
乱之助は容易く避ける。
ピーターはそれに合わせ、剣を乱之助めがけ横に振る。
ところが乱之助はまさかの鞘で受け止める。
「!?」
ピーターは驚きつつも、攻め続ける。
そして――。
ピーターの剣は突然真っ直ぐな太刀筋から、奇怪で曲がった太刀筋へと変わった。

――「妖剣」

一見、適当に見えるピーターの剣は確実に乱之助を追い詰めていた。
『こやつ……避ける方向が分かっている!?』
なんと、ピーターは乱之助の避ける方向に癖があるのを発見し、あえてその方向に避けさせて流れるように追撃をしている。
しかも一度も剣を止めていない。
『先程から思っていたが貴様……ただの軍兵ではないな?』
「ああ……貧民街出身の軍兵だ!」
『なるほど……貧民街にもこのような天才がいるようだな……』
「さぁな!」
すると突然――。

『ピーター!』

その声が聞こえた直後、大きな砲弾がピーターに飛んで来た。