それから、朝決まった時間に容赦なく起こす毎日。
気がつけば、私がこの城に来て一ヶ月経った。

始めはなかなか起きず、シーツに包まった王子との攻防戦を繰り返していたが、最近では私が部屋を訪れカーテンを開けると、目を擦りながらも起きるようになった。

ちなみに部屋に鍵をかけることはなくなり。

これは私が部屋に入ることを、王子が認めたのだろうと勝手に解釈している。

だから問答無用で朝、声をかけて部屋に入る。


「おはようございます、起きてくださいませライト王子!今日もいい天気ですわよ!」

「……朝から大きな声を出さないでくれるかな。耳が痛くて仕方ない」

「朝の第一声が勢いのあるものでないと、気持ちよく一日が始まりませんもの!さあ、起きて!早く服を着替えてくださいまし!」

朝は特にテンション高めで王子に接する。

とにかく始まりが大事。ここで弱々しくいっては、元に戻ってしまいそうで怖いから。