――かくして私は、ライト王子の侍女となったわけで。


翌日から早速、侍女の証である黒いワンピースと白いエプロンを身につけ、その道の一歩を踏み出すこととなった。


しかし、王子付きの侍女として仕事をするのは3日後。

それまでは、侍女としての基本的な仕事の内容を覚える時間に充てられた。



教えてくれるのは、第二王子のリフィト様に仕える侍女セリス。

セリスはロンバート伯爵家の三女で、同い年。

以前、夜会で何回か見かけた程度ではあったが、彼女はとても人気のある令嬢だった。


てっきり早々に結婚するのかと思っていたが、まさか侍女として働いていたとは。


「あら、あなたがライト王子の侍女になるララさんね?私はセリスよ。これからよろしくね」

「ええ、よろしくお願い致します。何回か夜会でお見受けしておりましたが、リフィト王子の侍女になられていたのですね」

「そうなの。ちょうどリフィト王子の侍女を探していたと父が聞いて、ぜひ娘を!と国王様に名乗り出てね。私自身はあまり乗り気じゃなかったのだけれど、社会勉強してきなさいと。でもまあ、今は楽しく侍女生活をしているわ。リフィト王子もそんな悪いお方ではないし」