幸太郎が家に帰って晩ご飯の準備を終えたタイミングで、妻が戻って来た。


「ただいまぁ。今日は卵の特売だったから、買いすぎちゃった」


明るく朗らかな妻がニコニコを笑顔でキッチンへ入って来る。


「あぁ。丁度切れていたから助かったよ」


「でしょう? あら、これなに?」


スーパーの袋から卵を2パック取り出しながら、妻がテーブルの上に置かれてるペンケースに気が付いた。


「結婚前に作ったものなんだ」