求人情報誌を買った幸太郎は、近くの公園にやってきていた。


缶コーヒーを片手にベンチに座り、求人情報誌を広げる。


公園で子供を遊ばせている若い主婦たちがチラチラとこちらを気にしているように見えて居心地がわるかった。


でも、家に帰るよりはマシだと思えた。


妻は今日も働いてる。


誰もいない部屋で1人仕事を探していると、どうしてもよくない事ばかりを考えてしまうのだ。


それなら、周囲から多少異質な目で見られようと公園にいる方が心が穏やかになれた。


求人情報誌の目ぼしい会社に赤いラインを引いていく。


パート、アルバイトのページにも沢山の線を引いた。


今までずっと会社員をしてきたからレジ打ちなんてできるかどうかわからないけれど、販売の接客まで線を引いた。