ケータイ小説 野いちご

本日、結婚いたしましたが、偽装です。

本日、仕事に身が入らず課長に怒られました。



婚約者と別れた私の事は関係なしに、無情にも時間は流れて、自分でも気づかないうちに一週間が過ぎていた。



仕事に行く気になんてなれなかったけれど、
毎日ご飯を食べていくにはどんな事が有ろうと無かろうと働かなければいけないので、なんとか会社に出勤して終業時刻まで仕事をする。



でも本当は、あの日から食欲なんて無くて、
どんなダイエット方法を試しても減らなかった体重が、5キロくらい一週間で一気に減少した。



一週間毎日、スナック菓子一袋とかろくな食事をしているおかげで、みるみる体重は減少して、肌はハリがなくぼろぼろで、顔色も悪く、目の下には幽霊みたいに青クマが出来ている。


頭は思考回路が停止していて、ぼうぜんとしていた。


それから、全く夜眠れないのも、頭がぼうぜんとしている原因の一つだった。



あの日の夜から、ベッドに潜って目を閉じようとするけれど、冬の寒い夜はとても淋しくて哀しい気持ちにさせて、眠れない。


身体は疲れているはずなのに、疲労感も何も感じない。



睡魔が襲ってきてくれない。




慢性の睡眠不足で何も考えられないけれど、任された仕事はしないといけない。



だけど、何も考えられなくて、仕事が手につかない。


あったはずの集中力はすぐに途切れてしまう。


仕事が出来ない、仕事に身が入らない。



ケアレスミスは当たり前で、先輩から仕事を依頼されている間中、上の空状態で、何度も聞き返して、聞き返したはずなのに依頼された通りに仕事が出来なくて、依頼された内容と違う内容の仕事をしてしまう。



おかげで、仕事は全く捗らないし、些細な失敗の連続で先輩や上司を失望させた。



私にはもう仕事は頼まないと、重い溜息をつかれながら、言い放たれた。



いつもなら、集中力を発揮して、依頼された仕事はきっちりとこなしているのに、こんなにも放心状態になって、仕事に支障をきたしているのは、今までなかった。




それで、先輩に期待されなくなった一週間が経った今日の夜の8時過ぎ。



仕事どころではなかった私には、大量に仕事が残っていて、期限までに終わらせないといけない仕事を、がらんとしたオフィスでパソコンの画面を見つめながら、片付けていた。



「佐藤、まだ終わらないのか」



同僚は全て退社して、薄暗くなったフロアで、もっとも私が苦手な鬼頭課長に見られながら。







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