クラス発表をあずきとさくらと見に行く。

(さ、佐篠…と。)

「あった!」

私は2組だった。

「あずきとさくらは何組だった?」

私がさくらち問いかけると嬉しそうに先にあずきが答えた。

「らなと同じクラスだよ!!やったね!」

勢いよく抱きついてきた。

嬉しかった!

「さくらは?」

空気が一気に沈んでさくらは答えた。

「私は6組だよ〜」

私とあずきもガッカリ。

「さくらとも同じクラスがよかった~」

「ねー」

3人で暗い話していると後ろから声がした。

「 佐篠!」

声の方を見るとそこに立っていた人を見る。

「七瀬くん」

私の好きな人だった。

最初は気になってただけだったのに、いつの間にか好きになっていた。

「俺、2組だった!佐篠は?」

わくわくしながら私に聞いてきた。

私は苦笑しながら答えた。

「私も2組だよ〜!よろしくね!」

同じクラスと伝えた時に。

「っしゃー!!!!」

いきなり喜びだした七瀬くんにびっくりした。

「佐篠と同じクラス!いいね!!楽しくなりそう!嬉しい!」

こんな、ドストレートに言ってくるとさすがにドキドキしてしまう。

「私も嬉しい!」

何気ない会話が幸せに感じた。

キーンコーンカーンコーン。

会話が終わる事を見計らうようにチャイムが鳴った。

「予鈴だ!じゃあねさくら!また帰りにね!」
私が言うと、元気な笑顔を見せながら言った。

「うん!バイバイ〜!」

と言ってさくらは行ってしまった。

そして私とあずきと七瀬くんが2組の教室へと向かった。

「あ、まだあずきに紹介してなかったね」
突然の問いかけに振り向く2人。

「彼は七瀬くん、で、こっちが私の親友あずきだよ!」

2人は小さく会釈を交わした。

教室につき自分達の席につく。

席は私の前があずきで隣が七瀬くんだった。

七瀬くんの隣が仲のいいであろう赤崎竜馬(あかさき りょうま)だった。

私達4人はその時和解して仲良くなった。

それから毎日のように私とあずきと七瀬くんと赤崎の4人で一緒にいるようになった。

会話の途中七瀬くんが口をはさんだ。

「そーいえば思ったんだけど、なんで、佐野って俺の事だけ君付けなの?」

名前を呼ばれてドキンと心臓がなったような気がした。

気がしただけだった。

一度も意識したこと無かった呼び名。

まさか、様付けで呼べと?!

変なことを考えながら、七瀬くんにおーい、と言われるまで私は考えていた。

「それは…なんでだろ?(笑)」

そーいえばそーだ。

赤崎の事は最初から君付けしてなかったなぁ。

七瀬くんだけ特別のような気がする。

だって好きな人だから、優しくしたい。

でも、本人が嫌がっているなら変えなきゃ。

「なんて呼んでほしい?」

私が質問すると、七瀬くんは照れたように

「レオがいい」

と言うから思わず「え?!」と聞き返してしまった。

そしたら七瀬くんは飽きれたように答えた。

「だから!レオがいい。」

また照れてた。

自分で言っといて。

でも、そんな顔も可愛いと思ってしまった。

「わかった!れ、レオね!」

初めて名前で呼び捨てで呼んだらレオは嬉しそうにニコッと笑った。

「俺、佐篠の事らなって呼んでいい?」

好きな人に名前呼びされるなんて思っていなかったから、突然の質問に戸惑い、慌てて

「うん、いいよ!」

と答えたらレオが

「まじ?!っしゃーー!」

大きな声で喜んだのでクラスのみんなから大注目されて、恥ずかしそうに顔を下に向けた。

その瞬間、ガタンッ!と言う音と同時に赤崎が

「お、俺もらなって呼びたい…。」

と言ったか、私は苦笑しながら

「いいよ!」

と答えた。

でも、その時のレオの顔は見れなかった。

とても、暗いオーラを放っていたから。