(今日から中学生か〜。緊張する…。)

そんな事を考えながら歩いていると、背中に痛みが走った。

バシッ。

「?!」

「らなー!!おはよ!」

「いたっ!あずき!はよ〜!」

彼女の名前は坂下梓希(さかした あずき)。

私の大親友だ。それと、もう1人…。

「おーい!らなー!あずきー!」

「あ、さくらー!はよ〜」

私が返事を返すと隣であずきも返事を返した。

「おはよ〜さくら。」

「おはよー。」

もう1人の大親友澤村桜(さわむら さくら)だ。

私達3人は小学校からの付き合いだ。

みんな苗字が『さ』から始まる事で席も近く仲良くなった。

入学式の会場、体育館に行く。

校長先生の話が長すぎて寝そう。

そう思いつつウトウトしていると、後ろの席から声がした。

「大丈夫?」

その時、私は恋に落ちた。

言い過ぎなのかもしれないが、世界が輝いて見えた。

声をかけてくれた男子がニコッと笑い「大丈夫そうだ!」そう言って校長先生の話を聞く。

(あれ、この感覚どっかで…。)

そう考えていると時間がすぎ、自分達の教室へと向かう。

クラスは全部で6クラスまである。

私は1組だ。

あずきとさくらとはバラバラだ。

さくらは2組、あずきは3組だ。

友達出来るか心配だった。

でもそんな心配はすぐにおさまった。

あっという間に友達がいっぱいできた。

特に仲良くなったのは、小森雪(こもり ゆき)だった。

性格がサバサバしていて迷いのないハッキリした子だ。

私とは気が合いずっと過ごしていた。


入学式で出会ってから気になっている彼の名前とクラスを突き止めることができた。

彼は6組だった。

離れた校舎にある6組。

気になって彼の教室に向かう。

彼の名前は七瀬玲央(ななせ れお)。

少し前に友達が教えてくれた。


「七瀬玲央…。」

いい名前だな。と思っていた時。

ドンッ

「いたっ!」

肩に少しの痛みが走った。

痛みというほどあまり痛くはなかったが、驚きすぎた。

「ごめん!!大丈夫?怪我してない?」

と声が頭の上からふってくる。とっさに顔を上げると。

(……え。)

ドキッと心臓が飛び跳ねる。

私の上にいたのは、七瀬玲央だった。

「だ、大丈夫…。怪我してないよ。」

自分の状況を伝える。

「そっか!よかった!女の子に傷でもついたらどうしようかと思った佐篠愛奈ちゃん」

「私の名前、何で知って…。」

暑いせいか、彼の顔が少し赤くなって見えた。

「それは…えっと、その。」

私の頭の上にはクエスチョンマークがある。

(どーいう事だろ。)

「ま、まぁ、無事だったしなりよりだ!じゃ、またね!佐篠」

「またね、七瀬くん」

と言って手を振ろうとしたら七瀬くんがいきなり振り向いて、

「?!何で名前知って…。」

彼の顔がまた赤くなって見えた。

(風邪ひいてるのかな?)

と思いなぜ名前を知っていることを知っているのを説明した。

「友達から教えてもらったの。」

七瀬くんは驚いたまま

「何で…教えてもらった…の?」

七瀬くんからの質問を返そうと思い口をひたらいた。

「き……」

ハッとした。

あと少しできになってたからって言うところだった。

「き?」

七瀬くんが疑問に思ったのか私が答えたことを口にして私は慌てて答えた。

「か、かっこいい人がいるよって聞いて…ね?」

「俺、かっこよくないよ?」

七瀬くんは苦笑いした。

それから七瀬くんとは別れて教室に戻る。

(次は部活紹介か…。)

予鈴と同じで廊下に並ぶ。

見に行った部活動。

私はあずきと中宮ゆり乃(なかみや ゆりの)とゆり乃の友達キキと一緒に部活紹介を見に行った。

私達4人は小学校から結構遊んでいた仲だった。

学校から帰ると毎日のように公園で遊んでいた。

男子もいた。

それに、ゆり乃は小学校で児童会長をやっていた。

生徒会長とは違って大変では無いけど、児童の代表としてステージに立っていたりしていた。

ある時ゆり乃が「私はバトン部に入る!!ずっと決めてたんだ!」と言った。

(『バトン部』かぁ)

見に行って先輩のバトンを見た時、この部活にしよう。

そう思った。

そしたら、あずきとキキもバトン部に入る事になった。

私は正直、運動神経がいい。

平均以上だ。

だからいいものの。

あずきとキキは運動音痴なのだ。

(この部活大丈夫?!)

と思いつつもあずきとキキはバトン部に入った。

ちなみにゆり乃は平均くらいだ。

(私はバトン部に入ってセンターとってやる!!)

そう心に決めた。



そして、楽しい日々が過ぎていき、3年生が引退して、気づけばもう中学2年生。