ケータイ小説 野いちご

首なしアリスは××のもの

8章




 朝、だろうか。

 相変わらずここでは時間の感覚が掴めない。

 目を覚ましたのは、けたたましく響く、ノックの音のせいだった。

「咲真、咲真! いるよね!?」

 ノックと共に響くのは、心の声。

 ぼんやりとしている頭でうるさいなぁ、なんて思っていたけれど、心の緊迫した声色のおかげで頭が冴え渡った。

 隣で目をこすりながら「何?」と呟く咲真を置いて、慌ててドアを開ける。

「どうしたの!?」

「あ、ありす!? なんで――」

「よかった、ここにいた。 無事? 何ともない?」

 何故だか涙目の心、そしてその横から割って入ってきた水無君。

 二人とも共通して、大げさなくらいの安堵を見せていた。

「何もないけど……?」

 ……咲真のことを思えば、何もないことはないが、二人にそんなに心配されるようなことは一つも思い当たらない。



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