蒼竜に潜入し始めてから、早いことに一週間が経った。


「結柚、倉庫行くぞ」


同居してることも手伝って、私と叶多は一気に距離が縮まった。


「ごめん、今日は用がある」


今日は、今まで集めた蒼竜の情報を晴輝に報告する。


公衆電話しか連絡手段がないから、蒼竜にバレないようにしなきゃいけない。


「珍しいな。彼氏とでも会う？」


鋭いのか、ただ強運の持ち主なのか。


たぶん後者だな。


「違います」


〝彼氏いる〟って言ったら墓穴を掘るかもしれないから、言わないようにしてる。


「つーか彼氏いんの？」


ほら来た。


こういう質問。


「いない。いたら叶多の家に泊まらないよ」


聞かれたときに淀みなく言えるように考えておいたセリフを読む。