「よっしゃぁ!これで麗桜潰す日が近くなったな!!」


岡田涼が大声ではしゃぐ。


……麗桜潰す日が近くなったんじゃない。


麗桜に潰される日が近くなったんだ。


私がそんなことを思ってるなんてこと、知る由もなく、岡田涼ははしゃぐ。


「倉庫案内しよーぜ!」


水原勇が私のこと疑ってるなら、ここで止めるはず。


だけど、水原勇が一番早く屋上から出ようとしてるから、今のところ疑われてはないようだ。


「勇が率先して動くの珍しいから、たぶん結柚のこと気に入ったんじゃね?」


篠原一哉があまり大きいとは言えない声で言った。


岡田涼との声量の差よ。


しかもちゃっかり呼び捨て。


おとなしそうに見えて、やっぱ不良だから軽いんだ。