翌朝、事務室でのミーティングを終えた後、6階の病棟へ向かう。

ガラス張りのエレベーターに乗ると、1階の各科外来の受付が並んで見えた。

内科は一番手前にあり、待合用の椅子はいつも人で溢れている。

悠さんは元々循環器内科が専門だけど、腎臓関係や糖尿病にも詳しく、抱えている患者はすごく多いのだと聞く。

…悠さん、今日も忙しいんだろうな。

なんて思いながら、よしと気合を入れる。


病棟を回って入院患者の様子を聞き、食事の調整について考えるのは管理栄養士の仕事のひとつだ。

昨日までセミナーで忙しくて病棟を回れず同僚の小沼さんに任せきりだったけど、今日からはその仕事に復帰できる。

担当しているのは6A。内科の患者が入院している病棟だ。

内科には誤嚥性肺炎を起こして入院してきた患者もいる。

嚥下機能に問題がある高齢者も多いため、食事には特に気を使うのだ。