坂井くんがやってのけた式神使いの神力。
鮮やかで見たことがないくらい綺麗で。

特別授業より寝てた方が効率いいという彼の気持ちも分からなくもない。

認めざるを得ない実力なんだ。




「僕の神力が凄いんじゃなくて、神凪くんがすごいんだよ?」




当たり前のことのように、お世辞でもなんでもないようにきょとんとした顔でこちらを見てくる坂井くん。

俺が凄い?
そんなわけない。




「他人の精製した式紙を使うのは異常に神力を使うんだ。
けど、神凪くんから貰った式紙は負担がほとんどなかった。」


「それってどういう…?」


「時雨の技術がすごいってことだよ。」


「流石にまだノーリスクって訳にはいかないけどもう少し訓練すればノーリスクで他人でも式紙使えるようになるんじゃないかなぁ?」




ふわっと欠伸をしてにこりと微笑む坂井くん。

ノーリスクで他人でも俺の式紙が使えるように…?




「ノーリスクで使えるもの作れれば、式神の力は弱いけど魔力でも使えるようになるはずだよ?」




学ぶべきだと思うなぁ。と軽く笑う坂井くん。

そんな坂井くんを見て、決める。