なんてこったと、こんなに焦る日が来るなんて予想もしていなかった。


「尊くんの誕生日が来週!?」

「え、なに千湖ちゃん知らなかったの?」


放課後。掃除の当番で呑気に教室の床をほうきではいていたら、戸松くんから衝撃の事実を告げられた。


「知らなかったよ!なんでもっと早く教えてくれなかったの!?」


「えー、だって彼女ならそれくらい知ってて当然だと思うじゃん?」

うっ…たしかにそれはそうかもしれないけども!!

完全にリサーチ不足だった。


尊くんも尊くんで、そんな素振りを全く見せないもんだから。


「まあ、アイツ基本的に自分のことに興味ないから誕生日も忘れてるかもしれないねー」

「えぇ、なにそれ!」


とりあえず、せめてプレゼントだけは用意せねば!と心に決めたのが今日。