待ちに待った修学旅行がやってきた。


学校では朝からわいわいがやがやと2年生が楽しそうに外で話し合っていた。


修学旅行は私服を着てもいいという決まりがあり、みんながそれぞれの私服を着て、着替えも別の私服も持ってきている。


末那とのショッピングに付き合ったときに多少はおしゃれをしてこようと学習して、修学旅行当日に着ていく服をなににしたらいいかと数日前電話で蘭子に聞いてみた。


『私服だったら思いきって丈の短いスカートにしたら? たぶん男子全員悩殺しちゃうかもよ?』


言いながら笑いをこらえていた蘭子だったが、答える前に考えるような声を出していたので、真剣に考えてくれたのだろうと思い、そのとおりにした。


数ある服の中から、リボンがついたフリルのカットソーと、丈が太ももくらいしかないミニスカートをチョイスし、インヒールのパンプスをはいた。


髪型もアレンジして、女の子らしく見えるようにした。


生まれてから髪を染めたことは一度もないのでどんな髪型にしても地味に見えるだろうと思っていたが、髪型を変えるだけで新鮮なんだと感じている。


お気に入りのカバンをさげながら、蘭子がいるところに駆け寄る。


「おはよう、蘭子」


「おはよう、茅乃。その服めっちゃ可愛いじゃん、似合ってるよ」


「そうかな? 恥ずかしいんだけど」


「いやいや。めっちゃ似合ってるって」