教室に入るといつもより人が少ない。



いつもより少し早いから当たり前かもしれない。



「羽奏〜!おはよ!今日早いね」



「美友〜。おはよう!今日はお父さんに送ってもらったから。」



「いいなぁー。」



「○○は送ってもらうほどの距離じゃないじゃん。」



「まぁね!それより数学の宿題やった?」



いつも通りの一日が始まった。


日曜日になった。


昨日は、学校と部活があって、店に出れなかったが、今日は朝から店で手伝いをする予定だ。



「羽奏。今日も朝早くからありがとね。」


おばあちゃんだ。



「ううん。全然大丈夫だよ!」



今日もいつも通り準備をして、店を開けた。



私は手伝いって言ってもまだ未成年だし、お客様への挨拶とか掃除みたいなことしかしない。


だから基本は雑用ってことになる。



「いらっしゃいませ。」


これをひたすら言い続ける。



こんなことを言うとお客様に失礼だと思うが、とても疲れる。



今日も午前中の仕事が終わり、昼休憩をしてから、午後の仕事に移った。



少しお客様が減ったので店の前で掃除しているとお客様に話しかけられた。



「あの、すいません。」



「はい?どうしました?」




顔を上げると、びっくりした。




なんとこないだ校門前に立っていた、学生だった。



「あの、こないだ会いましたよね?僕たち。初音桜学園の校門前で。」



「あっ、あ、はい。あっ、ちゃんと妹さんに届けましたよ!」



「あの時はありがとうございます!ここでバイトでもしてるんですか?」



「いえ、ここが実家なんで、手伝いをしてるんです。それよりあなたはここに来たことあるんですか?」



「いやお使いです。あの、もし良かったら今日、喫茶店とかに行きませんか?」



「いやぁ今日は仕事が終わってからじゃないと。おばあちゃんに聞いてみますね。」



はぁびっくりした。しかも喫茶店に誘われるなんて。