「総員傾注!」

天神学園学食。

凛とした澄み渡った声が、メガホンから響き渡る。

「これより天神女子会会長、夕城 エレナからの会長命令を下すのですっ」

パチパチと、乾いた音で拍手を送るのは白雪のみ。

残る3人は胡乱な目。

ん?

3人?

「あの~…美緒?」

美緒の隣に座っていたディアが、小首を傾げながら言う。

「これは、一体…?」

「私も同感ですぅ、先生次の授業の準備とかあって忙しいんですけどぉ」

責めるような視線で美緒を見るリカちゃん先生。

美緒は。

「……」

私ではどうにもできないんですぅ、と言いたげな潤んだ瞳で首を横に振った。