「…風邪ですね…」

甲斐が、美緒の差し出した体温計を見ながら言う。

年明け早々の翌朝、目覚めた美緒は熱があった。

「申し訳ございません。着任早々、まさか風邪を引かせてしまうとは…」

甲斐、これには反省頻り。

「いいのよ…元々風邪気味だったのかもしれないし…近頃寒かったしね…けほっ」

ベッドに横になったまま、美緒は小さく呼吸を乱す。

熱のせいか、しんどそうだ。

「病院行って、お薬貰って来なきゃ…でも…お正月だし病院開いてるかな…」