「おほん」

リカが咳払いする。

「それでは、本日の稽古を終わる」

いそいそと白衣を纏い、野暮ったい眼鏡をかけ、髪を三つ編みにしながら。

「各自復習しておいて下さいねぇ~」

いつものオットリモードに戻り、彼女は柔道場を去っていった。

残されたのは、息を乱して立ち上がれない武道家2人。

「…も…戻ってくるんじゃなかった…」

腫らしていた顔を更に腫らして、リュークが言う。

彼には本日、腹部の打撲と頬の擦り傷が更に追加された。

いい男が台無しだ。