「これが、馴れ初めですね。」



3人が話し終わったとき、ゆっくりと口を開いた澪。

俺と兄貴は血が繋がってない?
正確にはいとこってやつか?

それに、兄貴が俺の本当の母親を殺した…?





「汐、本当の母親に会いたい?」





声をかけてきたのは、間違いなく俺が憧れた背中の持ち主で。

遠い記憶の時の兄貴。

その笑顔は悲しそうで、辛そうで。




『分かんねぇ。
けど……どんな人なのかは気になる。』


「………子供のことを思わない、最低な奴だったよ。

けど、お前と暮らしてたらいい母親だったのかもな。」




ふと寂しそうに言う兄貴。




「お前が生まれてすぐは、俺もあいつに世話になってたらしいし。
かすかに残る記憶のあいつは、綺麗に笑う人だった。」


『………そうなんだ。』