[side 絢斗]


『お弁当、持ってきてないの?』


『せーのっ!いただきます!』


やっと思い出した。


やっぱり俺たちは出会う運命だったんだ。







───ピンポーン



家のチャイムが鳴って、俺は慌てて玄関へと向かう。


さっき、インターホンを鳴らした彼女が、


キョロキョロと緊張しているのが画面越しから伝わって、また好きが積もったところなのに。



─────ガチャッ



「いらっしゃい〜」


「あ、はい。いらっしゃいましたっ」


玄関を開けると、いつもより少し小さくなった彼女が、わざとなのか無意識なのか、多分後者であろう上目遣いでそう言った。


ここで今すぐ抱きしめて、たくさん触れたいけど、今は少し我慢。