保健室の先生は池田先生と言い、若くて綺麗な女の先生だ。


池田先生目当てに保健室を訪れる男子生徒も少なくない。


「あら、顔色が悪いわね」


保健室へ入った瞬間、椅子に座っていた池田先生がこちらを向いてそう言った。


「少し、休ませてください」


「いいわよ。君はたしか、山本さんと同じクラスの?」


そう聞かれて俺は頷いた。


「萩野です」


「萩野君ね。そっか、大変よね」


池田先生は何かを察したようにそう言ってベッドを開けてくれた。


今はまだ登校時間だから保健室の中には俺と池田先生の2人しかいない。